股旅歌謡名曲集

天童よしみ( 天童芳美 ) 股旅歌謡名曲集歌詞
1.大利根月夜


2.旅姿三人男

作詞:宮本旅人
作曲:鈴木哲夫

清水港の 名物は
お茶の香りと 男伊達
見たか聞いたか あの啖呵(たんか)
粋な小政の 粋な小政の 旅姿

富士の高嶺(たかね)の 白雪が
溶けて流れる 真清水で
男磨いた 勇み肌
なんで大政 なんで大政 国を売る

腕と度胸じゃ 負けないが
人情からめば ついほろり
見えぬ片眼に 出る涙
森の石松 森の石松 よい男


3.妻恋道中


4.赤城の子守唄


5.名月赤城山


6.旅笠道中


7.流転

作詞:藤田まさと
作曲:阿部武雄

男命をみすじの糸に
かけて三七二十一目(さいのめ)くずれ
浮世かるたの 浮世かるたの
浮沈み

どうせ一度はあの世とやらへ
落ちて流れて行く身じやないか
鳴くな夜明の 鳴くな夜明の
渡り鳥

意地は男よ情は女子
ままになるなら男を捨てて
俺も生きたや 俺も生きたや
恋のため


8.勘太郎月夜唄


9.次男坊鴉


10.旅鴉

作詞:藤田まさと
作曲:遠藤実

百里千里を 歩いても
歩くだけでは 能がない
ましてやくざな 仁義沙汰
広い世間を 狭くして
どこに男の どこに男の
明日がある

はなればなれに 散る雲に
きいて応(こた)えが 出るものか
一つしかない 命なら
一つしかない ふるさとの
せめて畳の せめて畳の
上で死ね

意地と情は 垣根越し
それが道理と 知りながら
知った道理の 裏をゆく
野暮な野郎の意地っ張り
今日も草鞋(わらじ)の 今日も草鞋の
紐(ひも)が泣く


11.吉良の仁吉


12.沓掛時次郎

作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

すねてなったか 性分なのか
旅から旅へと 渡り鳥
浅間三筋の 煙の下にゃ
生まれ故郷も あるっていうに
男沓掛 時次郎

女知らずが 女の世話を
その上坊やの 手をひけば
すまぬすまぬと いう目が辛い
旅だ旅だよ 許してくんな
これがおいらの せいいっぱい

男意地づく 生命(いのち)をかけて
キリリと結んだ 三度笠
義理はすんだが 泣かずに来たが
またも今日から 行先ゃ知れぬ
旅の合羽(かっぱ)を 風が吹く


13.一本刀土俵入り

作詞:藤田まさと
作曲:春川一夫

千両万両 積んだとて
銭じゃ買えない 人ごころ
受けた情の 数々に
上州子鴉 泣いて居ります
泣いて居ります この通り

「わしゃア姐さんのようないい人に、
めぐり逢ったのは初めてだ、はい、はい、きっと成ります。
横綱になった姿を姐さんに見て貰います。
そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの御墓の前で
立派な土俵入りがしたい……。」

野暮な浮世の うら表
教えこまれて 一昔
夢でござんす なにもかも
角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の
今じゃ日蔭の 三度笠

「角力にゃなれず、やくざになって尋ねて見りゃこの始末。
さァ、姐さん、この金持って、早くお行きなせえまし。
飛ぶにぁ今が汐時だ。後はあっしが引受けました。
さァ、早く早く行きなさいまし。ああ、もし、お蔦さん。
親子三人、何時までも仲良く御暮しなさんせ。
十年前に 櫛、笄(こうがい)、巾着ぐるみ、意見を貰った姐はんへ、
せめて見て貰う駒形のしがねぇ姿の土俵入りでござんす。」

御恩返しの 真似ごとは
取手宿場の 仁義沙汰
御覧下され お蔦さん
せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り
花の手数入り 土俵入り


14.潮来笠

作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

潮来の伊太郎 ちょっと見なれば
薄情そうな 渡り鳥
それでいいのさ あの移り気な
風が吹くまま 西東
なのにヨー なぜに眼に浮く潮来笠

田笠の紅緒が ちらつくようじゃ
振り分け荷物 重かろに
わけは聞くなと 笑ってみせる
粋な単衣の 腕まくり
なのにヨー 後髪引く 潮来笠

旅空夜空で いまさら知った
女の胸の 底の底
ここは関宿 大利根川へ
人にかくして 流す花
だってヨー あの娘に川下 潮来笠


15.鴛鴦(おしどり)道中


16.股旅

作詞:吉田旺
作曲:山田年秋

男渡世の しがらみゆえに
日陰街道 流転笠
ぐちじゃ弱気じゃ なけれども
時雨しょぼつく 日の暮れは
泣けてきやんす 泣けてきやんす 股旅ぐらし

すったもんだの 修羅場を越えて
くぐる宿場の 繩のれん
五臓六腑に しみわたる
酒は男の 子守唄
明日は晴れやら 明日は晴れやら 又雨じゃやら

世間うらむな 手前をうらめ
故里の親父の どやし声
芒葉末に 聴く夜は
俺も人の子 人並に
詫びておりやす 詫びておりやす 股旅鴉